支部報告 平成28年度第2回支部会
平成28年10月1日、第2回山辺天理歯科医師会の在宅しか訪問勉強会に天理支部から6人参加させていただきました。
日本接触嚥下リハビリテーション学会認定士・日本歯科衛生士会認定歯科衛生士の中川祐美先生(奈良県歯科衛生士会天理支部長)より、「歯科衛生士が行うケアの実際~歯科衛生士ができる食支援~」をテーマにお話していただきました。
慢性期の方の症例:動画を見ながら患者さんの口腔だけではなく全身状態を観察して、良い所・悪い所を見つけ、アセスメントたて仮説をたてます。
理学療法士・管理栄養士も関与し、患者さんが安全で摂食ができる環境や姿勢、食形態を考え、体勢を整える事により食事の楽しみやメニューが増えます。
<障がい者の方の症例>
幼少期に獲得できなかった食べ方・飲み方を変える事は難しい事です。取得するタイミングもあり、諦めない事が大切です。少しの進歩も家族の喜び、もちろん本人の喜びに繋がります。
<在宅支援だから出来た症例>
歯科に通えない、歯科に対しての拒否のある方がいます。でも、いつも過ごしている我が家なら、受け入れてもらえる事が多々あります。
ケアしていく事で、安心感や信頼感を得る事で、治療にも繋げていく事が出来ます。
<進行性難病の方の多職種連携の症例>
寝たきりの患者さんの持っている機能を引き出すための目標の一環として端座位にしたくて、理学療法士・看護師・介護士が関わる事により自食もされるようになりました。
もちろん、家族の介護力は絶大です。
1人で考えるのでは無く、その方を思うことで多職種を巻き込み、皆が同じ目標を持つ事で成し得ることは多くあります。
<アルツハイマー型認知症終末期の食支援の症例>
施設入所の方の場合、傾眠の原因、安全な姿勢・嚥下の五期を評価し、介護士に見る視点・注意する視点を伝え、食前の口腔ケアをすることにより、機能を引き出す事で食事が出来る口を作り、協働がなければ出来ない事もあります。
また、延命治療をしない方への終末期、看取り期を考える事もとても大切です。
自分が患者を抱える家族なら…
どうしてもらいたいですか?
患者さんを目の前にして…
どうしてあげたいですか?
今後、超高齢化社会が始まります。在宅ケアは必要不可欠になります。
多くの患者さんが歯科医師を待ってます。多くの患者さんが歯科衛生士を待ってます。
最後にDr.からの質問・評価・意見がありました。
- 見た事のない症例の患者さん、どれだけの事が出来るか不安だ。
- 医師やケアマネとの連携が難しく感じる。
- 訪問してくれる衛生士が居ない。
- 保険点数の請求が把握出来ていない。
など、問題はたくさんある様です。
2016.10.03
大鍬 佳子